食事制限とレプチンの関係
人間の脂肪細胞にはレプチンという食欲を抑制する生理活性物質が存在します。また、このレプチンは脂肪細胞に作用して脂肪の分解や燃焼を促します。レプチンは、脂肪量の多い人ほど多く分泌されます。実はこのレプチンの作用は身体が飢餓状態に陥った時に脳が発令するホメオスタシスの働きによるものなのをご存知でしょうか。
ホメオスタシスが発令されると身体は脂肪の燃焼を阻止しようとします。それと同じように急激に脂肪が増えてしまうと、レプチンが元の脂肪量の状態に戻そうと働くのです。このようにホメオスタシスは急激な変化に対して反発をするという特徴を持ちます。ということは、肥満の度合いが大きい人ほど食欲が抑制されるということになるはずです。しかし、実際はまったく反対のことが起こっています。
レプチンは摂取カロリーが多ければ多いほどたくさん分泌されます。その約20分後に脳の視床下部にある満腹中枢に到達します。しかし、高カロリーの食事をすることでたくさんのレプチンが一度に脳に押し寄せるため、脳はレプチンの受け取りを拒否してしまうのです。こうしてせっかくレプチンが大量に分泌されてもその役割を果たすことができないというわけです。
また、ここで肥満の人が過度の食事制限を行うと、レプチンの分泌量は一気に減少します。そうなると今まで以上に食欲を押さえられなくなるということになります。その上、急激に低下したレプチンの量はすぐには元の戻らないという性質を持つため、異常な食欲が押さえられないばかりでなく、どんなに食べても満足できないということになるのです。